食のカタリストたちの作り手訪問ツアー~長野県中野市・小柳農園~|AKOMEYA TOKYO

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食のカタリストたちの作り手訪問ツアー~長野県中野市・小柳農園~

AKOMEYA TOKYOでは、日本全国の誠実に作られたほんものに焦点を当て、食品や雑貨など様々な商品を取り揃えています。

私たちAKOMEYA TOKYOが目指すのは、世界に誇れる”おいしい”の循環型社会。「食のカタリスト」として、日本各地の“おいしい”を未来につなげる作り手と、食を通じて豊かな暮らしを育む使い手をつなげることです。

今回はそんな「食のカタリスト」であるAKOMEYA TOKYOスタッフチームが、長野県中野市の作り手さんを訪問してきた様子をレポートします。

長野県中野市
東京から新幹線で約1時間半。長野県の北東部に位置する長野県中野市は、千曲川・夜間瀬川というふたつの川が支える扇状地と段丘の町。豊かな山並みを背に、果樹畑や田んぼが町を形作っています。

朝晩の寒暖差が大きい山間地の地形を活かしたこの土地でお米作りに励んでいるのは、小柳農園の園主・新井康寛さん(写真下)。
AKOMEYA TOKYOでも人気のお米「風さやか」をはじめ、もち米・酒米など、丁寧なお米作りに取り組まれています。
印象的だったのは、「長野県で生まれた品種しか作らない」という新井さんの姿勢。

全国的には“長野=お米”というイメージはまだ強くありません。それでもあえて地元で生まれた品種にこだわって栽培しようと決意したのは、平成24年の皇室新嘗祭にて、当時の天皇陛下(現・上皇陛下)より「地域の農業の発展に尽力してください」とのお言葉をいただいたことがきっかけでした。

さらに、新井さんはお米を活用した加工品づくりにも積極的に取り組み、6次産業化を推進しています。

「お米の価値をどれくらい上げることができる農家になれるか。生活者から毎年のお米を期待される農家になることが大事」と話す新井さん。

その想いは、収穫の瞬間だけでなく、収穫後も食べる人と長く繋がり続けることに表れています。観光地との連携など、地元に実際に足を運びたくなるような心地よい関係をつくりあげていく取り組みも少しずつ進めています。

こうした新井さんの誠実な姿勢が、長野のお米に特別な価値と魅力をもたらし、地域と消費者を結ぶ架け橋となっているのです。

今回の訪問では、醤油粕を粉砕した肥料作りとその施肥や稲の生育調査、コンバインでの稲刈りを体験させていただきました。

 

有機肥料を使ったお米作りへの取り組み
小柳農園の米づくりから生まれるつながりは、地元・長野県中野市の仲間たちと共に広がっています。

小柳農園で育てた酒米は、同じ中野市にある丸世酒造店へ届けられ、じっくりと醸された日本酒「勢正宗」としてAKOMEYA TOKYOの店頭に並びます。また、小柳農園で育てた麹米は中野市のマルヰ醤油によって、「アコメヤのたれ」シリーズの原料として使われています。いずれもAKOMEYA TOKYOが誇るこだわりの商品です。

さらに、その関係は一方通行ではありません。日本酒の醸造で出る酒粕や、醤油づくりで生まれる醤油粕は、再び小柳農園へと戻され、田んぼの土づくりに活用されています。
このように、生産者と加工者、販売者がしっかりと手を取り合い、土地の恵みを大切に循環させる仕組みができあがっています。

今回は絞ったままの醤油粕を攪拌して細かくし、田んぼに施肥するまでを実際に体験させていただきました。

当初は醤油粕を肥料として活用することには塩害の心配もあったそうですが、試験の結果は問題なく良く育ち、窒素の量が増えて栄養がしっかり穂まで届くため、近年の高温対策にも一役買っていることがわかりました。
参加スタッフの感想(横浜ポルタ H.H)
醤油粕をまく様子を実際に見せていただき、地域の循環型の取り組みを肌で感じました。
また、自然の力を活かした肥料つくりにも感動し、廃棄となる醤油粕を資源として再利用し、お米作りにつなげる工夫に新井さん達の丁寧なものづくりの姿勢を感じました。
 

稲の生育調査

生育調査用に残していただいていた稲を掘り起こし、根の張り方や稲の長さなど、収穫前の養分を吸い上げる力を見せていただきました。
掘り起こした稲の根は、思った以上に深くたくましく、土の中でしっかりと養分を蓄えていました。見えないところで育まれた力強さに、あらためて稲の生命力と農家さんの手間の深さを感じました。
 
参加者スタッフの感想(サポートセンター Y.T)
生育調査のレクチャーでは、根っこごと掘り起こし土を洗って異なる品種の根の状態を見比べたり、ヨウ素液を茎に垂らしてデンプンの反応を確認したり、まるで小学校の理科の実験を思い出すような体験でした。
毎年、決して同じ条件の日がないほど変化していく環境下で、良質で美味しいお米を作り続けていくための新井さんの長年培われてきた経験そして日々の努力と工夫が、お米1粒1粒に込められていました。  
 

コンバインを使った稲刈体験

小柳農園に伺った9月中旬は収穫真っただ中のシーズン。私たちAKOMEYA TOKYOスタッフ一同もコンバインに乗せていただき、稲刈りを体験してきました!
参加スタッフの感想(南町田グランベリーパーク T.N)
人生初めての稲刈りがコンバインでの収穫体験と知り、楽しみのあまり真っ先に手を挙げ、一番乗りで運転させていただきました。
農家の皆さんのご苦労を思うと失敗は出来ないと、とても緊張しました。
しかし、秋晴れの美しい景色の中で大切に育てられた黄金色の稲を刈っていく体験は、収穫の喜びに溢れる貴重な物となりました。

 

田んぼのそばでいただく、お昼ごはん!
収穫のお手伝いを終えたら、待ちに待ったお昼ごはんの時間。

炊き立ての「風さやか」や、「アコメヤのたれ」シリーズで味付けしたお味噌汁やお漬物。さらには日本酒「勢正宗」まで振る舞っていただきました。

お味噌汁には地元で収穫されたきのこがたっぷり。地域で育んだ食材を美味しくいただくという想いが食卓の隅々にまで感じられました。

どれも素材の持ち味をシンプルに引き出した、素朴でまっすぐな味わい。それだけに、一口ごとにお米や野菜本来の甘みや旨みがしっかりと感じられ、驚くほどに心に沁みる美味しさでした。

農作業のあとに田んぼのそばでいただくごはんは格別の美味しさで、笑顔がこぼれるひとときとなりました。

参加スタッフの感想(サポートセンター T.F)
その土地で育った食材を、その土地で味わう――そんな贅沢を体験できたことが本当に印象的でした。土に触れ、作り手の声を聞いたあとの炊き立ての「風さやか」は、普段口にするお米とはまったく別物のように感じられ、心も体も満たされました。食の背景を知ることで、ひと口の重みが変わる。そんな気づきにあふれた時間でした。
 

小柳農園で作られた「風さやか」

今回の訪問で、私たちの食卓にお米が届くまでには農家さんのたくさんの手間暇がかかっていることを改めて体感しました。

コロナ禍で直接現地に足を運び、作り手の方にお会いする機会が持てませんでしたが、食のカタリストとして、これからは一層こうした機会を増やし、作り手のストーリーや熱い想いを丁寧に届けていきたいと考えています。

土地の特性を活かしながら、地元で生まれた品種にこだわって育てられたお米には、新井さんの真摯な姿勢と、一つひとつの作業を惜しまない手間が込められています。

しっかりとした粒感で、ほのかな甘い香りと噛むほどに口に広がるやわらかな旨みの「風さやか」を、ぜひご賞味ください。

次回のAKOMEYA通信では、同じく長野県中野市の「丸世酒造店」、「マルヰ醤油」に訪問した様子をレポートいたします。