アコメヤで2020年から展開している「津軽びいどろ」。夏の涼やかな器として高い人気があります。
この2025年夏には、新作のタンブラー2種類も登場しています。
今回のAKOMEYA通信では、「津軽びいどろ」を作る北洋硝子にフォーカス。工場長の中川さんにお話しを伺いました。
漁業用の浮玉製造から食器製造へ転換した北洋硝子の「津軽びいどろ」


北洋硝子の歴史
北洋硝子は、昭和24年(1949年)に創業。もともとは、陸奥湾の名産である帆立の漁などに使われる、硝子の浮玉つくりから始まりました。
浮玉製造の最盛期には、年間約20万個も製造し、その職人も300人ほどおり、昭和48年(1973年)には国内トップの生産高となりました。

しかし、昭和40年代にプラスチック製の浮玉が作られるようになると、プラスチック製の方が網がいらず硝子より丈夫で、機械による大量生産が可能で安価なため、次第に硝子の浮玉の需要はなくなっていきました。
浮玉の職人たちは、「宙吹き製法」という高度な技術を持っていました。「宙吹き製法」とは、坩堝の中で溶けた約1,350度~1,500度の硝子を吹き棹の先端に巻き取り、もう一方の端から息を吹き込んで膨らませながら形を整える技法のこと。自由自在な成形が可能ですが、熟練の技を必要とし、習得には20年以上かかります。
その優秀な職人たちの技術を活かすべく、昭和50年代には浮玉の製造と同じ「宙吹き製法」で作れる花器の製造にシフト。花器にした理由は、当時は一家に花器が5~6本ある家も珍しくなく、また企業の装飾や記念品などに数十万円の高級花器が使われることも多く、アメリカやフランスなど海外でも人気があり、輸出も多く行っていたためです。
浮玉の職人たちは、「宙吹き製法」という高度な技術を持っていました。「宙吹き製法」とは、坩堝の中で溶けた約1,350度~1,500度の硝子を吹き棹の先端に巻き取り、もう一方の端から息を吹き込んで膨らませながら形を整える技法のこと。自由自在な成形が可能ですが、熟練の技を必要とし、習得には20年以上かかります。
その優秀な職人たちの技術を活かすべく、昭和50年代には浮玉の製造と同じ「宙吹き製法」で作れる花器の製造にシフト。花器にした理由は、当時は一家に花器が5~6本ある家も珍しくなく、また企業の装飾や記念品などに数十万円の高級花器が使われることも多く、アメリカやフランスなど海外でも人気があり、輸出も多く行っていたためです。
「宙吹き技法」で作られた大ぶりの高級花器。数十万円~数百万円の価値がある
やがて硝子の大ぶりな花器で花を部屋に飾る習慣も減っていき、昭和60年代には一般家庭でも多く使われる食器の製造にシフト。現在は生産量の9割が食器となっています。
「津軽びいどろ」は、北洋硝子のオリジナルブランド。昭和52年(1977年)に、硝子職人の成形技術と色硝子を掛け合わせた工芸品として、食器や花器などで構成された「津軽びいどろ」が誕生。平成8年(1996年)には、青森県の伝統工芸品の第一号に認定されました。
青森県の伝統工芸士に認定されるには、「宙吹き製法」の習得が必須となります。
「津軽びいどろ」のロゴマークは、坩堝の中の真っ赤にとけた1,500度の硝子の色、そして原点である浮玉の丸、青森の地形から構成されています。
「四季」「手作りの温かみ」「ストーリー」を重視し、使ってくださる方たちに愛着を持ってもらえるようなモノづくりや青森という地域性を強く発信しています。
津軽びいどろとは
「津軽びいどろ」は、北洋硝子のオリジナルブランド。昭和52年(1977年)に、硝子職人の成形技術と色硝子を掛け合わせた工芸品として、食器や花器などで構成された「津軽びいどろ」が誕生。平成8年(1996年)には、青森県の伝統工芸品の第一号に認定されました。
青森県の伝統工芸士に認定されるには、「宙吹き製法」の習得が必須となります。
「津軽びいどろ」のロゴマークは、坩堝の中の真っ赤にとけた1,500度の硝子の色、そして原点である浮玉の丸、青森の地形から構成されています。
「四季」「手作りの温かみ」「ストーリー」を重視し、使ってくださる方たちに愛着を持ってもらえるようなモノづくりや青森という地域性を強く発信しています。


(写真左)平成8年に「青森県伝統工芸品」に指定された際の指定書 (写真右)津軽びいどろのロゴマーク
津軽びいどろの「色」
津軽びいどろの色ガラス粒(シモ)
「津軽びいどろ」の最大の魅力は、その色の豊富さ。硝子の色は、硝子の主原料であるケイ素にさまざまな成分を配合して溶融することで発色するので、実際に作ってみないとその発色はわかりません。
中川さんは幾度も実際に作り、発色を見ながら色のレシピを作成していき、30年以上をかけて今では約130色のレシピを独自に開発。熟練の職人技で色を混合し、溶融しています。
現在、津軽びいどろの色づくりをできる職人は、4人しかいません。入社して15年程度で、溶融の温度調整や色の調合ができるようになります。
雑貨店には、同じサイズ、同じ色のものをたくさん納品する必要があるので、大きさや色の違いが出れば出荷ができません。
色の成分の配合だけでなく、溶融する時間帯、冷ます時間などでも発色が変わるため、絶妙な職人技が必要です。
アコメヤでは、2020年から津軽びいどろとの取り組みを開始。
アコメヤのバイヤーの希望をデザイナーに伝え、それをデザイナーが紙でイラストに起こして色指定まで提示し、色やデザインが決まったら北洋硝子の職人が実際に色サンプルを作成。多ければ4~5回サンプルを見て調整し、完成となります。バイヤーの希望を実際の色に反映する際にも、熟練の職人がイメージに近いものを即座に提示します。午前中にイメージを伝えたら、午後には実際のサンプルが出来上がっているのです!
アコメヤのバイヤーと、津軽びいどろのデザイナーや職人たちが”ONE TEAM”となって初めて、理想の商品が完成します。
中川さんは幾度も実際に作り、発色を見ながら色のレシピを作成していき、30年以上をかけて今では約130色のレシピを独自に開発。熟練の職人技で色を混合し、溶融しています。
現在、津軽びいどろの色づくりをできる職人は、4人しかいません。入社して15年程度で、溶融の温度調整や色の調合ができるようになります。
雑貨店には、同じサイズ、同じ色のものをたくさん納品する必要があるので、大きさや色の違いが出れば出荷ができません。
色の成分の配合だけでなく、溶融する時間帯、冷ます時間などでも発色が変わるため、絶妙な職人技が必要です。
アコメヤのオリジナル商品
アコメヤでは、2020年から津軽びいどろとの取り組みを開始。
アコメヤのバイヤーの希望をデザイナーに伝え、それをデザイナーが紙でイラストに起こして色指定まで提示し、色やデザインが決まったら北洋硝子の職人が実際に色サンプルを作成。多ければ4~5回サンプルを見て調整し、完成となります。バイヤーの希望を実際の色に反映する際にも、熟練の職人がイメージに近いものを即座に提示します。午前中にイメージを伝えたら、午後には実際のサンプルが出来上がっているのです!
アコメヤのバイヤーと、津軽びいどろのデザイナーや職人たちが”ONE TEAM”となって初めて、理想の商品が完成します。




金彩シリーズ
2022年から展開している、人気の「金彩」シリーズは、男女を問わないシックな色あいをコンセプトに、青森の八甲田山の冬をテーマにした色から作り上げました。


松葉・藍鼠シリーズ
2024年から展開している「松葉・藍鼠」のシリーズも、シックな色あいをコンセプトに、素麺やお茶漬けなど夏の食卓を涼しく演出します。
2025年夏の新作
2025年夏の新作



タンブラー MATSURI -躍動-



タンブラー HANABI -光跡-
そしてこの2025年夏、新作として登場したのは、タンブラー2種類。
「MATSURI -躍動-」は、青森のねぶた祭りをテーマにした色。明るい青空や宵を迎えた空、藍染めの法被などを思わせる青のグラデーションに、赤や黄の色合いでかわいらしさを添えています。
「HANABI -光跡-」は、日本の花火をテーマにした色。パッと広がる光の粒や 、やがて消えゆく儚さなど、その美しい一瞬の煌めきを多彩な色ガラスを使って表現しました。
アコメヤオリジナルのポイントは、「ねじり」を入れているところ。色が溶けあうようなグラデーションが美しい仕上がりです。
「MATSURI -躍動-」は、青森のねぶた祭りをテーマにした色。明るい青空や宵を迎えた空、藍染めの法被などを思わせる青のグラデーションに、赤や黄の色合いでかわいらしさを添えています。
「HANABI -光跡-」は、日本の花火をテーマにした色。パッと広がる光の粒や 、やがて消えゆく儚さなど、その美しい一瞬の煌めきを多彩な色ガラスを使って表現しました。
アコメヤオリジナルのポイントは、「ねじり」を入れているところ。色が溶けあうようなグラデーションが美しい仕上がりです。
成形の方法



アコメヤオリジナルのシリーズは、箸置きを除き全て「スピン成形」という技法で作られています。
スピン成形とは、溶けた色硝子をろくろ付きの型の中に落とし入れ、型を回してその遠心力によって硝子を上まで引き伸ばして成形する技法。比較的安価で口元が厚いのが特徴です。
スピン成形の職人は現在5人。技術の習得期間は、盃・豆皿のスピン成形に3~5年、タンブラー・盛り皿のスピン成形には5~10年かかります。
箸置きは、溶かした硝子を巻き取ってハサミで切り分け、くぼみを付けて仕上げます。
実はこの箸置きを作る職人の中には、アコメヤの店頭で津軽びいどろの商品を見て、実際に作ってみたい!と職人になった社員が携わっています。
スピン成形とは、溶けた色硝子をろくろ付きの型の中に落とし入れ、型を回してその遠心力によって硝子を上まで引き伸ばして成形する技法。比較的安価で口元が厚いのが特徴です。
スピン成形の職人は現在5人。技術の習得期間は、盃・豆皿のスピン成形に3~5年、タンブラー・盛り皿のスピン成形には5~10年かかります。
箸置きは、溶かした硝子を巻き取ってハサミで切り分け、くぼみを付けて仕上げます。
実はこの箸置きを作る職人の中には、アコメヤの店頭で津軽びいどろの商品を見て、実際に作ってみたい!と職人になった社員が携わっています。





硝子を溶かす炉は、常に1,350度~1,500度程度に保つ必要があり、一度火を落としてしまうと、再びその温度に戻すのに1週間ほどかかってしまうため、24時間365日、炉の火を落とすことはありません。
職人たちはシフト制で、津軽びいどろの火を絶やさずに守り続けています。
職人たちはシフト制で、津軽びいどろの火を絶やさずに守り続けています。

北洋硝子のSDGsの取り組み
北洋硝子では、産業廃棄物となる硝子を無償で引き取り、リサイクルする取り組みを行っています。
漁業用の硝子浮玉を回収し、花瓶や一輪挿しの商品にする取り組みを、2020年のフランス・パリ・メゾン・エ・オブジェで発表。
このシリーズは「津軽びいどろ DOUBLE F -UKIDAMA EDITION-」と名付けられ、2024年にはソーシャルプロダクツ賞を受賞しています。
「DOUBLE F」とは、北洋硝子の「北」を上下逆さにすると「F」の字が背中合わせになっているように見えることから名付けられました。
硝子の浮玉が2年半~3年ほど太平洋を漂い、アメリカ西海岸に流れ着いた際、現地の人が北を上下逆さまにして「F」の字が背中合わせになっている「ダブルエフ」と認識したことに由来します。
現在「DOUBLE F」シリーズは、ドイツ、フランス、アメリカ、香港、台湾、シンガポールなどの海外でも展開しています。
廃硝子の再利用は、浮玉だけでなく、廃自動車のリアガラスや居酒屋などで割れたジョッキ、太陽光発電用のパネルガラスなどにも及び、SDGsの取り組みが拡大しています。

津軽の地から世界で愛されるブランドとなっている「津軽びいどろ」。そこには、日本の四季や津軽ならではの伝統が映し出され、職人による手づくりならではの世界にひとつだけの魅力が宿っています。
ぜひ、あなたのお気に入りの「色」を津軽びいどろで見つけてみてくださいね。
ぜひ、あなたのお気に入りの「色」を津軽びいどろで見つけてみてくださいね。
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