ありがとうの気持ちを込めて送りましょう。 マナー講師、岩下宣子さんが伝授! 覚えておきたいお中元のマナー Part1|AKOMEYA TOKYO

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ありがとうの気持ちを込めて送りましょう。 マナー講師、岩下宣子さんが伝授! 覚えておきたいお中元のマナー Part1

お中元って?
「ご先祖様をお迎えする日のことです。神道と結びついたお正月と、仏教と結びついたお盆の、年に2回あります」。
言葉の由来は?
「『中元』とは、古代中国にて盛大に行われたお祭りのこと。1月15日の人々に福を与える神の日『上元』、7月15日の人を愛し罪を許す神の日『中元』、そして、10月15日の災害を防ぐ神の日『下元』と3回に分けて行われていました。この行事が日本に伝わって『中元』だけがお盆の行事と結びついて残ったのです」。
ご先祖様をお迎えするために、なにをすればいいの?
「人をお迎えするときのように『大掃除』をして家をきれいにします。今は大掃除といえば年に1回ですが、昔はお正月前とお盆前にしっかりと行なっていたんですよ。6月30日に神社で茅の輪をくぐり厄祓いすることも、同じ意味を持っています」。
迎え入れたあとにやることって?
「お家にあがってもらったら、次は『おもてなし』をします。感謝、ですね。今自分に命があるのは、ご先祖様のおかげだからです。もしこれがどこかで切れてしまっていたら、 私たちはこの世に生まれていないでしょう? だから、自分よりも目上の方におもてなし、といってお中元を渡すのです。お返しが必要ないのは、この行い自体が“日頃の感謝のお礼”だからなのです」。
お世話になっている人なら誰に送ってもいいの?
「ずっと関係を続けていきたい人にしか送ってはいけません。基本的には一度送ったらずっと送り続けるものなので、自分の親代わりになるような、本当に大切な人にだけ送ってください。ただし、暑中見舞いのハガキは“相手を気遣うお便り”なので、別。喪中の人に送っても問題ないですよ」。
送る時期は?
「相手を想って送るものだから、相手の住む地域に合わせましょう。時期は、場所によって大きく3つに分かれています。1つ目は関東で、7月15日のお盆。『盂蘭盆(うらぼん)』とも呼ばれるこの言葉には、お釈迦様の弟子の目蓮が、地獄にいるお母さんを助けるために、多くの僧とともに念仏を唱えたというエピソードがあると言われています。2つ目は関西で、7月15日から1ヶ月遅れた8月15日。3つ目は、沖縄で8月の末か9月の頭です。ただし、同じ地域でも多少ズレが生じる可能性もあるので、気をつけてください」。
うっかりと逃してしまったら?
「『暑中見舞い』や『暑中お伺い』で立秋までに出しましょう。もしそれにも間に合わなかった場合は、8月末までに送る『残暑見舞い』や『残暑お伺い』で出すことができます」。
渡し方にもマナーがあるの?
「一番は、相手のお家にうかがって、顔を見て、玄関先で感謝の気持ちを込めて渡すこと。『半年間ありがとうございました。これから12月までどうぞよろしくお願いします』と。ですが、今は働いていて家を空けている人が多いと思うので、郵送や宅配でも大丈夫です。『直接会っていないので、ただ送るだけでは感謝の気持ちが伝えきれない!』という人は、手紙かカードを添えてくださいね」。
お中元だけで、手紙は添えなくても大丈夫?
「日頃の感謝の気持ちやお礼の言葉を伝えるということが一番大切です。もし手紙が負担に感じるようなら、お中元の表書きに『感謝を込めて』と文字を添えるだけでも、気持ちの伝わり方はかなり変わってきますよ」。
Part2では、気になる手紙の書き方や、のしについて深く掘り下げていくので、お見逃しなく!