昨年8月から今年1月まで半年弱、木桶を使わない期間があったため、胴回りに数か所隙間が生じていますが、味噌の塩分により外部に水分が漏れても垂れ流れる程度。問題はないです。
1年目の仕込みの際は、桶に微生物がゼロの状態だったので、蔵にもともといる蔵付き菌に頼らざるを得なかったのですが、2年目は木桶が一度使われて馴染んでおり、桶にも微生物がいる状態からのスタートでした。
1年目は新桶のため、仕込み前の吸水時間を3週間とりましたが、2年目は微生物が吸水で少なくならないよう配慮し、1週間に短縮しました。
出来上がりの違い
2年目は、1年目に比べフレッシュさよりもより味噌らしく、コクがしっかりと出ています。
香りは、パイナップルを思わせるような発酵香があり、当蔵の酵母独特の香りがしっかりと出ています。
深みのある味わいに、糀の甘さが合わさって、1年目よりも腰のある味となりました。
熟成期間は2年目のほうが2か月長いですが、2か月間は発酵、熟成が止まる寒の時期であったため、熟成期間は発酵の変化に影響はないですが、追麹後の気温が急激に高くなった事、梅雨が長く湿度が多かったことで熟成が進み、蔵付き菌の生育も活発になったのではないかと考えられます。
味噌らしく深みのある味が出てきたことと当蔵独特の香りが出始めていることは、確実に木桶に蔵付きが住み始めている証拠。
仕込んでから追麹までも順調に進み、昨年はバナナのような香りでしたがその香りも出ず、追麹前の口切りの際もアメ(みそ溜り)の香りは通常のアメと同じ醤油の香りでした。
また、桶を洗った後の香りも1年目は木桶の香りだけだったのが、2年目は木桶の香りもありつつ、味噌の香りも残り始めていて、徐々に木桶が当蔵に染まり始めているように感じています。